札幌という都市
札幌に来て早いもので1ヶ月が経った。
途中、一回関東に戻ったり、道内を旅行したり、祖父母の家であるニセコや倶知安にも数日ずつ滞在したが基本的には札幌に居た。
俺は生まれが札幌市から車で30分程の距離にある恵庭市というところなので札幌に関して特別な想いはないがここ1ヶ月程で思うことがある。
札幌、過ごしやすい。
馬鹿みたいに、過ごしやすい。
住みたい。
もう住みたい。
住めば都とは良く言うが住まなくても都だ。札幌。
まず札幌といっても色々ある。
と言うか広い。
札幌市だけで言えばとても広い。
といっても北海道全体からみれば当然狭い。
狭いと言うか小さい。
たくさんの市町村が集まって北海道なのでそりゃそうだ。
そしてその札幌の何十倍も広い面積を誇る北海道全体約500万人の内、200万人が札幌に住んでいると言うのだ。40パーセントだ。4割だ。首位打者だ。
もの凄い密集率だ。2位の旭川市が約30万人らしいのでいかに札幌だけが北海道の中で突出しているかが分かると思う。
何故こんなに人が集まっているのか。
住みやすいからだ。
札幌が広いと言う話に戻そう。
札幌は確かに広い。しかし地下鉄及びJRが発達している。俺は地下鉄を利用している。今は車もあるので移動に困ることはまずない。と言うか車がなくても札幌市内であれば基本移動に困ることはない。
間違えた。札幌市内という言い方は間違えた。
札幌都市部周辺であれば移動に困ることはまずない。
どこまでを都市部と呼ぶかに多少考える余地はあるがここは面倒臭いので地下鉄が伸びている範囲までとしよう。
そう。つまり早い話、広い札幌と言えど地下鉄沿線に住めばもう最高なのである。どこにでもいけるのである。
これも間違いだ。どこにでもはいけない。
都市部へのアクセスが容易となると訂正しておく。
都市部へのアクセスが容易とはどういうことか。
住みやすいということである。
札幌に来たことがない、あまり知らない人のために書いておくが札幌には四天王ならぬ三天王が存在する。
札幌、大通、すすきのだ。
これが札幌だ。これが札幌の都市部だ。さっきから言っているが。
なに、札幌も入っているじゃねえか、どういうことだというのは一回置いといてとにかくこの3つ。これこそが札幌でありこの3つへのアクセスが容易に出来ること。この3つの間は徒歩でも移動が出来る。俺はいつも徒歩で移動している。
東京基準で書くが、道も広く、人も少なく、風は涼しく、飲み屋は安く、セコマがあり、雰囲気は穏やかで、それでも時に怪しさも見せて、何よりススキノというマイベストプレイスがあり。徒歩の移動すら楽しい。
つまり住みやすいということである。
この3つにアクセスするためには地下鉄を利用することになる。
そしてこの地下鉄沿線、まあ安い。
何がって家賃がだ。家賃がまあ安い。
札幌都市部ではなく郊外にもたくさんの家が建っているがきっと土地代も安いのだろう。これは知らないで書いているが。
普通に賃貸する分にはまあ安い。
1万円台からゴロゴロと借りられる。
日本の都市部を比べても確かに東京だけ突出して家賃は高いがそれら他の安いと言われている大阪、名古屋に比べても相場は一回り安いと思ってもらって構わない。
また短期レンタルも安い。よくあるであろう。短いところだと何日単位から何ヶ月単位で借りられるアレである。あれもまあ安い。
余裕のある人は一度札幌を試してほしい。特に夏。きっとあなたも札幌を好きになる。
札幌。
何でもあるのだ。実は。足りないものは何もない。
繁華街に行きたければ行けばいい。美味いものを食いたければ店に行けば良い。自然に癒されたかったら公園に行けばいい。茶をしばきたいのであれば小洒落たカフェに行けばいい。何をするにしても全てがコンパクトにバランス良く揃っているのである。
是非とも試していただきたいことがある。
まず札幌に来るのだ。夏に。
そして、三天王周辺にホテルを取ってほしい。安いゲストハウスでも構わない。
ちなみに札幌、ラブホテルすら安い。驚愕の安さだ。
まず大倉山ジャンプ台に登り札幌を一望してほしい。
夜景スポットとして人気らしいが昼の方が良く見えるのでそれで街を把握してほしい。
なるほどこんな街なんだなと、把握してほしい。心に刻んで欲しい。
昼は是非ともラーメンを食べてほしい。美味い店なら腐る程ある。
一幻と信玄の二大ゲンはまず外れない。
その後はぶらぶらと大通周辺を散策しても良し。地下鉄で移動して円山公園辺りをうろつくのも良し。何してもらっても構わない。何なら抜いてもらっても構わない。天下のすすきのが君を待っている。きっと感動すると思う。
夜はまたすすきのへ繰り出そう。そして飲もう。食べよう。
先日、鹿肉が食える焼肉屋に行ったのだがまあこれが美味かった。何を食っても美味いのだ。札幌は。
当然羊も絶品だ。牛でも豚でも海鮮でも思う存分を腹を満たして欲しい。
そして是非二次会に行ってもらいたい。どこに?地面である。
厳密にいうと地面ではないのだが札幌は都市部にも関わらず至る所にベンチや少し座れる石などが設置されている。
これが札幌を好きな理由の1位だと言っても過言ではないかもしれない。
座れるのだ。街に。そしてそこで夏の涼しすぎる夜風を浴びながら一杯やれるのだ。
こんな至福なことはない。
そして最後にそのまま北上してもらいたい。
クライマックスである。
夜の騒音が残って、でもやけに静けさが漂う午前2時のすすきの、大通を歩いてもらいたい。バンプだ。
まあそれはそれは幸せな時間だ。本当に幸せな時間である。
当然、握り飯屋で買ったたらこバターを頬張りながらだ。
そして札幌駅前にある赤レンガ倉庫前に着いたらベンチに座りまたそこで一息ついて欲しい。
宿までは徒歩で帰れるのだ。何の心配も要らない。
セコマのオランダモルトを飲み干し一息ついたあなたはきっとこう思う。
札幌最高。