牛丼
改めて牛丼について考えている。
長い海外生活を経て帰国した人の大半が口にする言葉。
「牛丼やばい」
日本に居てもそれは感じる。
牛丼は最強だ。味、コスパ。最強だ。
俺は多い時で週に5、6杯ラーメンを食べるが、最近はラーメンも高くなってきているなと感じる。
6〜700円なら安いなと思うレベルだし、大盛りにしたら1000円近く、メニューよっては超えることも少なくない。
それに比べ牛丼は凄い。
某M屋では味噌汁付きの美味い牛丼が380円で食べれる。
某S家では豚汁に卵も付いてくる牛丼が490円で食べれる。
税込だ。
先進国と呼ばれる国で500円以下、ドルで言うなら4ドル50セント以下でこれ程の馳走が食える国はあるだろうか。
ないだろう。(ジャンクフードは除く、あれは反則)
卵に紅ショウガと七味と醤油をかけ、かき混ぜ牛丼の上に拡げ、豪快に掻き込む。
間違いなく至福の瞬間である。
物価が安いと言われる東南アジア、例えばタイやベトナムではフォーと呼ばれる美味い汁麺やよく分からないけどなんか美味い炒飯みたいなものや、バインミーと呼ばれるサンドウィッチみたいなものが100〜200円で食べることが出来る。場合によっては100円以下もある。
しかしだ。
屋台のそれらは大抵量が少ない。
ある程度腹を満たそうと思うのなら2品、ないしはフォーを2杯立て続けに掻き込む必要がある。
そうすると2〜400円かかってくる。
牛丼とあまり変わらなくなってくるのだ。
ここで考えて欲しいのが物価に対する所得だ。
タイ、ベトナムを始め東南アジアの国々の経済成長率はとんでもないことになっているのも確かだがそれでも日本に比べたらまだまだ低い水準にある。
参考までにUFJが今年出していた賃金比較を。
やはり日本、シンガポール、香港、オーストラリア等が突出しており他は軒並み低水準のままである。
ざっくり言って10分の1であろうか。
スリランカに行った際、食堂で話しかけてきた兄ちゃんも月給は1万5千円〜2万円程と言っていたし、この間オンライン英会話で話したフィリピン人のお姉さんもそれくらいだと言っていた。
大卒で何らかの資格を扱える能力を持っていてもだ。
あまり詳しく書きすぎるとキリがないので省くが、経済発展著しいバンコクでも月収10万を超えるにはある程度の経験や年齢、キャリアを重ねないと厳しい部分がある。
対して日本では特に資格も能力がなくても健康であり、時間さえ提供すれば10万の給与を得ることは難しいことではない。と言うか健康な大人であればそれは容易だ。暇な大学生で達成出来る。
まあその気付きにくい仕組みが資本主義に飲み込まれる序章となっているんじゃねーかと最近は思うのだがそれもまた長くなるので今度。
大学新卒の平均給与が約20万円。
面接で何となくそれっぽいこと言って茶番を演じれば手にすることが出来る額だ。
当然それまでに学費だ何だと多額の投資をした上でのことではあるのだが。
自ら学費を捻出し続ける学生も少ないだろう。
つまり親の金で何とかしてもらい、何となく22歳まで過ごしていれば手にすることが出来る額。
20万円。
俺もその一人だ。
何が言いたいか。
俺は恵まれている。
大半の俺たちは恵まれている。
恵まれすぎている。
感謝を忘れてはいけない。
やはりどう考えても牛丼は最強だ。
この世で数少ない覆ることのない真実の一つ。
ありがたい。
いつでも牛丼を気楽に食べることが出来る国でありがとう、日本。
いつでも安価に牛丼を提供してくれる経済大国でありがとう、日本。
ありがたい。多謝。
いただきます。
※画像はカツ丼。