負け
同期と飲んで来た。
俺達は組織に雇われ労働力を提供し賃金を得る被雇用者だ。
不満の一つや二つも出る。
辞めてやると大口叩きたくもなる。
分かった気になって豪語もしたくなる。
俺達は人間だ。
負けたまま豪語もしたくもなる。
そして負けたまま負ける。
俺達を軽んじ蔑み馬鹿にした連中を許したまま負けるなよ。
負けるのは仕方ない。どうにもならないこともある。
じゃあやれるだけやって負けていった人間はどれほどいるのか。
若者離職率問題が語られる時必ずと言っていい程逆説的に「その場所でダメでも他の場所なら輝けるかもしれない」と言った決まり文句が横行する。
よく分かる。
人が変わる三大要因に含まれるくらい環境って大事。
ただ全肯定出来るものでもないと俺は思う。
「ダメだと思ったがまだ出来る、やれる余白があるかもしれない場所で出来なかった、やれなかった」なら多分変わらないよ。
雑な言い方なのは承知な上で。
そう楽に人は変われない。
次も可能性を残したまま負ける。
勇気を出せば本当は出来た、やれたんだけどなという本人が1番よく分かるその部分を分かった上で負けるのは大きい。尾をひく。
打てるインロー真っ直ぐを球威にビビって見逃した奴が次同じ球威の真っ直ぐがアウトローに決まったら打てないでしょう。
絶対とは言わないが確率的には落ちるよ。
なら最初に振らなきゃ。
ビビっても抗えよ。
自分の為に。
「俺、私は出来る、やれる状況で出来なかったやれなかった」ということを血肉になるまで噛み締めなきゃ。
せめて事実をそのまま受け入れなきゃ。
資本主義だ。
ゴリゴリの資本主義だ。
まぁそれは資本主義だ。
自分から捻出される経済力だけで生きていけないなら組織に属するしかない。
属しながら何もしなきゃ搾取され続けるだけだ。
気を抜けば負け続ける。
余白で全力を尽くせなかったら何も変われない。
しょっぱい飲み会で分かり易い共感だけを求めて傷の舐め合いをする糞にだけはなるなよ、俺。
敵は、自論を振りまいている目の前の人間じゃなくて打てる球を見逃すお前自身だよ、俺。
全ての文章に自戒を込めて。